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最近仕事をしていて、よく経験する事なのですが、何か上手くいかない事があった時に、直ぐに諦めたり逃げたりする方が多いように思います。自分の心身を傷つけられるような状態なら逃げた方が良いと思いますが、成長に繋がる場合でも逃げ出してしまっています。これには、幼少期からの教育の仕方にも原因があるようです。





◇子供の為にならない教育方法とは

近年は少子化というように、昔のように3人以上お子様がいらっしゃるご家庭は少なくなってきました。そのため、1人に対しての教育に力が入ってしまうのでしょう。自分と重ねたり、人と比べたりしてしまい、子供のためと思い行っている教育が、逆効果になっていることもあります。様々な職場で出会ってきた方々から聞き取りした内容を基に、実は子供のためになっていない教育を挙げてみたいと思います。




□先に結果を言ってしまう

親であれば、子供が始めた事で、結果がどうなるか想像できることも多いでしょう。しかし、結果を先に口に出してしまい、さらに『ほら、ママの言った通りになったでしょ?』というようなニュアンスの言葉を言っていませんか?遊びであっても、習い事であっても同じなのですが、結果を先に言ってはいけません。夫婦間で共有する程度ならいいのですが、子供に対して、【自分の言うとおりになった】と言ってしまうと、必然的に支配してしまう事になります。言ったとおりになった=だから母親に逆らってはいけない。というような感情になるのです。また、子供に対してマウントとも取れるので、子供は外で他の人に同じことをしてしまいます。『ほら!だから言ったじゃない!』と、友達に言うようになり、友達からすれば、『別にいいじゃない、私の事だから放っておいて』となり、友人関係を築けなくなってしまいます。どうせ続かない、どうせ上手くならない、どうせコケてしまう。など、様々な場面で結果が見えていたとしても、先に言うのは止めましょう。



□親の判断で良い悪いを判断してしまう

こちらも、親の判断基準で『良い』『悪い』を言ってしまうパターンです。たまに公共機関の中で、親と思われる方がきつい言葉でお子様に『ダメ!』と言っているところに遭遇します。その際、子供が『なんで?』と聞き返す事もあります。しかしその時に、親は答えず『ダメなものはダメ!』と言うのです。これは、返答ではないのは分かりますよね?親が答えられない事を、子供が理解できるはずがありません。他にも、『これが良い!』と選んだものに対して、『それ?えー、止めなさい。こっちにしなさい。』と、違うものをすすめている方もいます。子供が嫌がると、『こっちの方が良いじゃない!』と、親が良いというものにさせられます。こっちの方が良いと思っているのは親であって子供ではありません。これが続くと、子供は自ら選ぶことが出来なくなってしまいます。ですから、社会人になって『何が良いですか?』と聞かれたことに対して、『何でも良いです。(どれでも良いです)』と答えてしまいます。



□途中で口を挟んだり手を貸したりしてしまう

小学生になる前だと、家で遊ぶことが多いですよね。男の子と、女の子では遊ぶ内容が違うとは思いますが、動物のパズルゲームをしていたとしましょう。ぞうさんの形を、カバの枠にはめようとして、なかなかハマらないという時に、皆さんは黙って見ていられますか?他には、結ぶとか、めくるなど、もどかしい状態の時に、『手伝っても良い?』と、本人に尋ねられていますか?『うん、いいよ。』と言われてもいないのに、手を出していませんでしょうか?子供の前にあって、子供がしている事ですので、他の人が手を貸す場合は、『手伝っても良い?』『一緒に遊んでもいい?』と聞くと良いでしょう。そうでなければ、自分が行っていることだという責任感が無くなってしまい、直ぐに投げ出して、他の人がするものだという認識になってしまいます。相手が子供であっても、【自分がしている事である】という認識を持たせて、取り組んでいる事を尊重しましょう。

他の人の記事:「子どもを潰してしまう親」には共通点がある



□出来ていないところばかりを見てしまう

人に得手不得手があるように、子供にも得手不得手があります。親からすると、可能性を広げたい一心で、小さいころから習い事をさせることもあるでしょう。それ自体は良いと思いますが、出来ていないところを指摘ばかりしてはいけません。せっかく可能性を広げたかったのに、自分は何をしても出来ない中途半端な人間だと、思わせてしまう事になってしまうかも。そうすると、大人になって積極的になれないし、『どうせ』という言葉を使うようになってしまいます。習い事だけでなく、ファッションや髪型も同じと言えます。出来ていない部分で自分を自己評価してしまい、出来ていることや、これからやりたい事に興味を示さなくなってしまうのです。これでは、社会生活を円滑に送れるとは言えないでしょう。




◇教えておかなければならない事とは

では逆に、どのような事を伝えていれば、今後大人になった時に辛い思いをせずに生きられるのでしょうか?全てではないかもしれませんが、親自体が、子供に対して、どの位置にいるかが重要です。子供より親や大人の方が偉いという考えなのか、子供が成長をする段階の支えと考えるかでは、言動が変わるはず。とはいえ、中には子供が少ない事によって、お姑さんやご主人からのプレッシャーが強く、子供のレベルを自分の評価のようにされる方もいるかもしれません。勉強とは別で、人間性としてこれから挙げる内容を参考にしてみてはいかがでしょうか?




□失敗した事より失敗した後の事

習い事や勉強でトップを狙う事は悪い事ではありません。しかし、良い点数では無かったとか、良い成績を残せなかったという事だけを叱りつけるのは止めましょう。それでは、子供は何も学べません。学べるのは【自分は親の期待を裏切った子】【自分の事より自分の成績や、世間体の方が大切】という事を学びます。今まで通りのやり方では成績が上がらないのであれば、変えなければいけないのですが、成績の事だけを咎めて、方法を変える事を一緒に考えてくれないのであれば、子供一人でどれほどのアイディアが出てくるでしょうか?塾を変えるのか?勉強方法を変えるのか?一番大切な方法の部分を、子供任せにして、結果だけに反応していませんか?成績が悪かったことは、あくまでも結果です。悪い結果だと思うのであれば、その結果を招いたプロセスが良くないという事になります。勉強でもスポーツでも、結果を変えるには、それまでの行動を変える必要があります。そのためにも、経験未熟な子供に対しては、色んな選択肢があり、何度も挑戦出来るという事を教える必要があります。



□自分がしたい事なのか?したくない事なのか?

色々な子育てを見ていて思うのですが、親御さんの希望で子供が動いている事も少なくありません。幼稚園生などの小ささであれば、まだ好き嫌いで物事を判断してしまい、集中力も続きません。しかし、小学生になれば、したい事なのか、したくない事なのかは判断が出来るようになっています。もちろん集団生活をする上で、したくない事でも学んで身につける必要性がある事もあります。しかし習い事などで本人は嫌がっているのに、『お母さんが行けと言うから行っている。』という子供が多いのも現実です。興味が無いのであまり身にならず、成長していない状態を見て、『自分の子供は、他の子と比べて劣っている。』と、勝手に評価して子供に対して過度なプレッシャーを与えてしまいます。子供を他の子と比べて、自分や家族のメンツの為に使うのは止めて、よく話し合いましょう。これを言うと、『子供の為にやっている。』『沢山の可能性や選択肢を持たせて、将来困らないようにしている。』という返事が返ってきます。また、『子供は将来の自分のためだと理解できないから、親が作ってあげておかないといけない。』とも言われます。しかし、子供が成人して感謝してくれるだろうと期待するのは間違っています。少なからず、『嫌だった』『狂っていると思った』『貴方の為と言われるのが迷惑だった』という子もいます。本当に子供の為と思うのであれば、要所、要所で話し合い、親子間の認識を出来る限り合わせておきましょう。



□『分かった』という理解を示す事

子供というのは、自分の思い立った時に思った事をしたり、言ったりします。1時間と決めたゲームでも、もっと遊びたいと言い出すものです。一緒に決めたルールを守って生活するのは良い事なのですが、取り上げたり、隠したり、怒鳴ったりしてはいけません。子供が『もっと遊びたい。』と言った場合、ほとんどのお母さんは、『1時間と決めたでしょ?止めて宿題をしなさい!』と言ってしまうでしょう。しかし、子供は気持ちを伝えて来たのですから、ルールの話をしても伝わらないのです。そこで、『もっと遊びたいの?遊びたい気持ちは分かった。だけど、一緒に決めた時間だから止めて宿題に取り掛かって。』と伝えるのです。要するに、遊びたいという気持ちに理解を示してあげるわけです。大人は会話自体の理解速度が高く、自分の頭の中だけで処理して伝える傾向があります。でもそれは、大人同士なら成立するかもしれませんが、子供相手では通用しません。そこで、面倒と思うかもしれませんが、理解しているが、違う状況にしなければならない時、子供が『我がまま』を言う時、そのような場面ではまず理解を示すようにしてみてください。


以前に書いた記事:親の言葉は知らず知らずのうちに子供を支配している



最後に

子供の頃に、たくさんの理不尽なことを経験して成長し、高校から大学生くらいのアイデンティティを形成するころ【何がどうなって、あのようになったのか?】【自分は何のために、これを行っているのか?】と考えるようになります。その時に、冒頭の方で挙げたような状況だと、自分で考えて答えを導き出すという事が出来ない子になってしまいます。そうすると、考えられないので後回しにしたり、人のせいにしたりして、本当の意味での成長が出来なくなってしまうのです。成長しないまま社会人になり、またあの理不尽な状況がやってきます。答えを出せていない子は、ここでも考えられず逃げてしまうのです。答え自体は未熟でも良いのです。重要な事は、自分で導き出せたかどうかなのですから。どんなに可愛い子供であっても、その先の事を想い、手を貸してあげたいところを少し我慢してみてください。お母さんはいつまでも心配かもしれませんが、子供はたくましく成長するものです。

2024年7月16日
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