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人の役に立ちたいという方にお会いする事があります。とても素晴らしい事ではあるのですが、中には逆に相手を下に見ていませんか?と問いたくなる方もいらっしゃいます。役に立ちたいという気持ちを勘違いしないように、ここでは、『人の役に立つ』という人は、どのような『人』なのかを書いています。




人を『成長』させられる『人』が役立つ訳

リーダーなどの役職がついている方は、仕事のパフォーマンスが当然他の人より秀でているでしょう。そうでなければ、人の上には立てませんものね。しかし、そのすべての方が自分のパフォーマンスだけでなく、人のパフォーマンスも上げられるか?というと、そうではないようです。スポーツで例えると、エース級の選手が引退後皆、監督やコーチになれないのと似ています。自分だけでなく、人のパフォーマンスを上げられる人が、組織にとっては本当の意味で役に立つ人材である訳です。まずは、人のパフォーマンスを上げられる人の特徴を書いてみます。


◇頭の中が整理されている

自分の頭の中が整理整頓出来ていないと、相手に話が通じないのと同じで、人に教える際も頭の整理整頓が必要です。仕事の一連の流れやポイントを思いつきで言われると、聞いている方は混乱してしまうからです。まず、何を教えようとしているのか?成果として何が欲しいのか?など、大きなポイントと、間違いやすい部分や、期間などの小さなポイントをしっかりと分けて説明する必要があるのです。後輩や部下を成長させられる人は、常に頭の整理が出来ているので、人に説明するのがとても上手です。聞いている方は、何をどうすれば良いのか分かりやすいため、成長が早いという訳です。


◇相手の受け取り方を理解できている

説明上手な人がいくら丁寧に説明しても、相手が同じように受け止めるかと言うのは別の話です。例えば、『私、昨日たくさんのリンゴを食べたの』と言われて、あなたは相手がいくつ食べたと思いますか?普段、1~2切れ程度しか食べない人は、丸ごと1つ食べたのかな?と思うし、普段から1玉食べる人は2~3玉食べたのかな?と思うはず。要するに、自分が思う範囲と相手の考える範囲は違うという事を『理解』しているかどうかが重要なのです。これが理解できていれば、教えながらどのように受け取っているかを確認しながら進める事ができるので、相手との相違が最小限に抑えられるわけです。先ほどの会話でいくと、同じことを言われた際に、『私は普段リンゴの半分も食べないんだけど、たくさんて、どれくらい食べたの?』と質問が出来ます。こうする事によって、相手にもこちらの考えを伝えられるし、相手のたくさん=『どれくらい』を知る事ができるのです。


◇表情を読み取れる

頭の整理をして、相手の理解度も分かればおおよそ伝えるという事はクリアできるでしょう。次に、相手の表情に注目してみましょう。説明している最中に、相手の表情が動かなくなったら要注意です。あと、目を閉じる行為も同じく注意が必要です。これは、聞きながら頭の整理をしていますが、追い付いていない証拠なのです。当然、追い付いていなければ、ほとんどの内容は聞き流されてしまいます。頷きや「うん」や「はい」などの言葉が入る同調があれば、その都度理解できている(伝わっている)と判断しても良いでしょう。しかし、無音で首一つ動かなくなったら、説明を止めるべきです。本人が理解できているところまで戻って説明しなおす必要があります。そのため、説明しながら相手の反応や表情をよく観察しましょう。


◇出来ている事を褒める事ができる

全てにおいてオーバーに褒める必要はありませんが、出来ている事は出来ていると、しっかりと認めてあげる必要があります。どんどん成長してほしいからといって、次々に移っていけば褒める箇所は少なくなるでしょう。しかしそれでは聞いている方は達成感がありません。どんな小さなことでも、これは出来るようになりましたね。という一言で、一区切りがつき次に進む準備ができるのです。そのため、人を成長させられる人は、一つひとつの仕事に区切りを付けられる人です。それは相手にだけでなく、自分に対しても出来るのが特徴的です。区切りが付けられる人は、ダラダラ仕事せずメリハリのある仕事をされているはずです。


他の人の記事:仕事や勉強の「教え方のコツ」は? 学習指導の専門家に聞いてみた→https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/business/howtoteach/

『人の役に立つ』を勘違いしている人

では次に、人も役に立つという事を勘違いしている人の特徴を書いてみたいと思います。役に立ちたいという、本来は素晴らしい目標であるにも関わらず、なぜか周りから距離を置かれてしまう人。私の気持ちを分かってくれないと嘆く前に、セルフチェックしてみませんか?ちょっとした事で変わるきっかけがあるかもしれませんので、是非参考にしてみてください。


◆何をするにも自分本位な言動

どこかに「教える」という言葉が強く存在してしまい、教える方が上で、教わる方が下という感覚はありませんか?そのため、相手のタイミングや都合を無視して、自分の都合を優先させてしまったら感謝されるどころか迷惑がられます。当然ながら、教わる方にも都合はあるのですから、そこは考える必要があります。また、喜ぶはずとか、有難いはずと勝手にうぬぼれて、厚かましく恩着せがましい教育もうんざりです。相手が聞きたい、知りたいと思う事を伝えなければ感謝されるはずがありません。そのため、早くから教えたい気持ちもあるでしょうが、少々抑えていただき、その方が本当に必要な時期がきてから教えてあげましょう。


◆自分のやり方を押し付けている

前にも書きましたが、相手の受け取り方を考慮しながら伝えなければ伝わらないので、自分のやり方を『正』として考えすぎるのは良くありません。確かに、効率の良い方法かもしれませんが、それが分かるには時間がかかるはずです。私も一度、『私は、その失敗も含めて学びたいんです。』と言われたことがあります。これを聞いて反省しましたね。自分が失敗したから、相手には失敗させないようにという教育は、優しそうに見えて自分のエゴだったという事です。そこから自分が通ってきた道を『正』とはせず、一つの選択肢として紹介するようにしました。そんなつもりではなく、知らず知らずのうちに自分のやり方を押し付けている事ってありませんか?


◆相手の話を聞いていない

教育するぐらいの方で、相手の話を聞かないなんてあるはずないと思いませんか?ところが案外多いのが不思議ですよね。話を聞いていないという単純な事だけでなく、相手が質問している事と違う事を説明してしまう場合もあります。どちらにせよ、なぜ会話がずれるのかと言うと、相手が喋っている時に、こちら側が勝手に想像して、相手が最後まで話切る前に遮断してまで説明しようとするからです。そうするとどのようになるかというと、『いえ、そうではなく。私が聞きたいのは…』と、ずれてしまうのです。リーダーや役職者はせっかちな人も多く、先読みして行動するので、相手が発したいくつかのキーワードで、勝手に聞きたいことを想像してしまうのが原因です。相手の話を聞くという事は、何が言いたいか想像する事では無く、何が言いたいかを理解する事です。


◆出来ていない事だけを指摘する

これまでたくさんの面談を見たり聞いたりしてきましたが、面談時に普段の業務対応について指摘するような発言をする方が非常に多いと感じます。そのため、面談を行いますと伝えると、何か注意を受けるのではないかと感じる従業員が多数いらっしゃいます。実際に室内に入ってきた方は、表情は硬く挨拶の声も小さめです。これは、これまで面談という名の説教タイムを経験したからといえます。さて、本来の面談は何をするべきなのでしょうか?当然、業務態度が悪かったり、効率がわるかったりすれば注意もしなければなりません。しかし、そればかりにフォーカスを当てて話をしてしまうと、相手は壁を作ってしまい、あまり耳には入っていない事が多いのです。出来ていない事を話す前後に、出来ている事・褒めるべき点を必ず入れる必要があります。そのことによって、きちんと見てくれている人が、直すべき点をアドバイスしてくれていると認識してもらう必要があります。


併せて読みたい:やる気の見えない人への対処法とは?指導の方法を変えましょう


まとめ

いかがでしたでしょうか?人の役に立ちたいと思っているのに、なかなか上手くいかないなと思っている方は、是非ご参考にしていただけると嬉しいです。一人のパフォーマンスが高く、高評価を受けている方は会社やチームの要であり重要人物でしょう。しかし、その方が抜けた時、会社やチームが大変な思いをするのであれば、それは良い人材とはいえません。同じように活躍する人材を育てる事が、会社やチームにとっての財産となりますので、その財産を育てる事が出来る人こそが、『人の役に立てる人』となるのではないでしょうか?自分と同じように活躍する人を育成するとなれば、ただ教えるという方法ではなかなか育ちません。始めに書いたように、教える側の自分自身にかかっているので、もう一度振り返って見つめなおしてみてはいかがでしょうか。

2025年12月13日
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