ご紹介者様から良く聞く言葉で、『この人は変わらない』というのがあります。本人も変わりたくないという認識のようです。私は、なぜ変わらなければならないのですか？と質問をしますが、生活や仕事をする上でお互いに上手くいかないからという内容のようです。ここでは、『性格を変える』ということについて書いています。

◇まずは試してみて！性格を変える方法より簡単な事

皆さんは自分の性格を変えたいと思ってチャレンジした事はありますか？私も若い時はそのように考えていた事もあります。でも、そう簡単ではないですよね。まず始めに『性格を変えよう』という難しい課題より、もっと簡単な入口を書いてみたいと思います。自分を変える・相手に変わってもらいたいとお考えの方は、是非参考にしていただければと思います。

1、チェンジではなくプラスする考え方

そもそも、『変える』必要性というのは、どこまであるのでしょうか？相手からすれば、変わってほしいのでしょうが、自分が特に困っていなければ変わる必要性は低くなります。そこで私が考えたのが、変えるのではなく足すという事です。この『足す』という行為は簡単に言うと、『知る』という事です。さらに突き詰めると、『知った上で認める』という事。相手が自分に対して変わって欲しいという部分があるとしたら、『なぜ』『どのように』と、まずは『相手の考えを知る』ことから始まります。そして、『相手はここに困っているから、自分に対してこう変わって欲しいのだな』と認めるのです。そうする事で、『変わる』というキーワードの前に、相手の考えや思いを知る事が出来る、すなわち『自分以外の人の思考を知る』というプラスが生まれるのです。私が見ている限り、ここを一瞬ですっ飛ばしている方が非常に多いように思います。脳はとても優れていますので、その先の『自分だけが相手に合わせさせられる』という思考の方が真っ先にやってくるので、相手が言った瞬間に拒否反応が出てしまうのです。同性・異性・会社・家庭、関係なく、自分以外の人の思考を知るという事は、自分を守る上でも大切な事ですので、直ぐに『変わりたくない』と考える前に『なぜ言い出したのか？』という風に思ってみてはいかがでしょうか。

2、プラスされた思考にチャレンジ

さて、先ほどの考えを持って接していて、相手の考えが見えてきた後、『なるほどな』とか、『確かに』と思う事はあれば、ここからが『変わる』という考えが出てくると思います。納得いかなかったといしても、そうしなければ上手くいかないのであれば。とか、そこまで迷惑をかけている認識が無いけど。などでも同じです。要するに、納得する。もしくは出来ない事ではない範囲の内容であれば、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。ここでも、なぜ自分だけが！？と思うようであれば難しいかもしれませんが、対応できて関係が円滑になるのであれば、私は良いと感じます。自分のこだわりや、どうしても譲れないものまで変える必要は無いと思いますが、そのような場合は、こちらも丁寧に伝える必要がありそうです。なぜかというと、こちらも知らなかったように、相手も自分の考えを知らないからです。

3、大切だと思える人ほど知りにいく

このように、相手を知るという事はとても重要な事と言えます。しかし、不特定多数に対して同じようには出来ません。ですから、大切だと思える人に対しては、自分から『知りに行く』というのも良い事です。家族や友人、重要な仕事仲間など、人生の時間を多く共有するような方の事を知るのは大切です。何から何まで分からなければならない。という事では無く、『ここは…』と言われた事に対して、その考えを聞き、知った上で認めるという事です。出来る・出来ないという事は後の話で、まずは聞けるか？がとても重要なのです。全てにおいて、『聞く』という事から始まると言っても過言ではないでしょう。そのため、大切な存在であれば、耳を傾けるという姿勢を持って、自分から進んで話を聞いてみてはいかがでしょうか。

4、自分の事も素直に知ってもらおう

相手からの話しばかり続きましたが、今度は自分からの話しをします。相手を知るためには、自分を開示する必要もあります。自分だけは壁を崩さず、相手の本心だけ聞き出すという事は無理な話です。そのため、自分の事も素直に話をしてみましょう。素直に話すと、恥ずかしく感じ、弱みを見せるような気がするという方もいますが、それ自体も自分だけの考えかもしれません。先にも書きましたように、口に出さなければ何一つ伝わりません。ほとんどが予想と終わってしまうのです。私の持論なのですが、【言わなくても分かるのは『嫌い』という時だけ】というものです。人でも行動でも、食べ物でも、『嫌い』という感情は、なぜか言わなくても伝わります。それ以外は、わざわざ伝えなければ、予想にしか過ぎないのです。ですから、変えて欲しい・変えてあげたい。と考える前に、自分の思いや考えを相手に伝えてみてはいかがでしょうか。

他の人の記事：性格を変えたい方へ。自分の性格を変えるための方法とは？

◇変えようと思えば思うほど変えられなくなる

人から言われた事で、このままではダメだと思い、変わろうと努力したが出来なかった。という方もいらっしゃいます。特に、社会的地位のある方は、変われなかったという自己評価を出される事が多くあります。なぜ変われなかったかというと、『変わる』という言葉に支配されると、このままではダメな人間。とか、変われないと嫌な人のまま。という前提で脳が認識してしまい、自己嫌悪になるため、認めたくないという意識が生まれてくるのです。脳が、そんなはずは無い！と考える訳ですね。だから変わらなければと思えば思うほど、自己否定になってしまい、変われなくなってしまうのです。では次に、変わる＝今がダメという考え方ではない、私の受け入れ方を書いてみます。

以前に書いた記事：自分の意思は自分で決められる！決められない人は是非読んでみて

・気づけたこと・知れたことは大切にする

聞いた途端に無理そうと思う事だってあります。しかし、そのように考える人が居るのだなと知る事が出来れば、全く望まれたとおりでは無くても、次から気を付ける事は出来ます。言い方や行動、タイミング様々ではありますが、絶対無理とは考えないようにしています。時には、言われた事が出来るようになれば、誰に対しても良い事（使える事）だと思える事もあります。しかし、私が聞く耳を持たない人であれば、周りは諦めてしまい、私は自分にとって良い情報を手に入れる事は出来なかったかもしれません。このように『変えられる』という意識より、自分にとって、より良い情報だと考えれば、受け入れやすくなります。もちろん中には、あなたにとってだけメリットじゃない！と思えるような事を言う人もいますが、それはそれで、このような人も居るのだと知った上で、自分で選択する事が出来ます。全てにおいて自分で選択できるという事は忘れずに、自分にとってより良い事かどうかで判断しています。

・納得いけば自然に理想に近づく

５１歳になろうとしている私ですが時々、〇〇になって来たよね～と言われる事があります。自分では特に意識をしていた訳ではありませんが、いつの間にか変わっていたようです。(笑)　しかし、私も頑固なところがあるのに、なぜだろうと考えてみたところ、どうやら納得した事に対しては直ぐに変えるようにチャレンジしていたようです。ですから、今の私を作ってくれた沢山の諸先輩方や、友人に心から感謝をしています。また私自身、祖母や、ある女性のような理想とする人がいるので、近づきたいという願望はありました。性別関係なく、これまでしてきた事に対して実績やプライドなどがあれば、早々簡単には変えられないという事は理解できます。ですから無理に変わろうと考えずに、納得出来たら試してみようというくらいでもいいのではないでしょうか？自分にプラスになる事であれば、無理なく出来る事も多くあるはずです。

・人の為に自分を変える必要はない

相談者の方にも良く言っている言葉でもありますが、なにより自分自身に言ってきた事でもあります。なぜ他人の為に自分を変えなければいけないのだ？と思いますよね。わたしは、他人の為というフレーズを少し変換してみました。人の気分が良くなれば、必ず自分にも巡ってくるものだと感じていたので、人が幸せになるのであれば、少々気を付けてみようか。という感じです。嫌な人には絶対出来ない事なのですが。自分の変化で他者を幸せに出来るなんて、考えた事ありますか？この事にもっと早く気付けたら、どんなに良かっただろうと思う事もありますが、そんな事を考えても仕方がありません。気付いた瞬間から出来れば良いと思ってアンテナを張っています。要するに、人の為と思っている事が、後々自分の為になる事もあるので、全てを拒否するのではなく、出来る範囲でした結果、相手が楽になったり幸せになったりするのであれば、気を付ける事を惜しまないという事です。もちろん、自分が納得いく相手や、内容でなければ話にはなりませんが、自分のためにもなるかもしれないという可能性があれば受け入れています。

最後に

いかがでしたか？性格を変えるというのは、簡単な事ではありませんよね。しかし中には、一言多い自分を変えたいなど、今後の事を思って切願している方もいるかもしれません。知る、納得するという段階を踏まないと、脳が変化する事に準備が出来ない場合もあるので、面倒くさがらずにトライしてみてください。また、カウンセラーに会っても変わらないと思う。というご意見を頂くことがあります。確かに、カウンセラーが相談者の性格を変える訳ではありませんので、その通りです。私に会ったとしても性格が変わる訳ではありません。あくまでも変えるのは本人なのです。私は、変えなければならない理由や必要性、また変えたいとご本人がどれほど切望しているかを引き出すだけです。そこから本人が気付き、出来る事からトライするかは本人次第なのです。変わらないと本人が思っている間は変わらないでしょうし、変われません。口先だけで、『こんな性格変えたいな～』と言っているようでは、変わらないという前提での言葉になるので難しそうです。でも、変える事で心が穏やかになり、ストレスが少なくなりそう！と想像が出来るようでしたら、自分を信じてみましょう。