人は自分の事より、他人にアドバイスするのが好きですよね。頼んでもいないのに、アドバイスしてくれる事もあります。そかし、全く耳を貸さないと信用を失う場面もあります。実際に行動するかしないかでは無く、どう聞き入れるかが問題のようです。ここではせっかくのアドバイスをどのようにして自分の為に取り入れていくかを書いています。
目次
◇自分の為になるものだけを聞き入れる傾聴術
私が今まで出会った人の中にも、アドバイスを聞き入れない方がいらっしゃいました。それは別に問題無いのですが、聞き入れなかったから起こった問題を、自分で受け止めず、周りのせいにしてしまうのが、聞き入れられない方々の特徴です。もちろん全てのアドバイスを聞く必要はありません。聞き入れるとは、『言う事を聞く』という事ではありません。なぜそれを言っているかを考えるという事です。時には耳が痛い話かもしれませんが、それを言われた原因を考えるかどうかです。まずは自分の為になるものだけを聞き入れる方法を書いてみたいと思います。
・聞き入れる人は自分を応援している人だけに絞る
様々な人が色んな意見を持っています。その中で、自分に対して適切なアドバイスをしてくれるのは応援してくれる人です。しかし、注意が必要なのは、あなたを利用して私腹を肥やそうとしている応援者はいけません。自分が与えてあげられている。など思ったら最後、その人の存在で沢山の人を失いかねません。本当の応援者というのは、時に厳しい言葉を投げかけてくることもあれば、難しいお題を出してくる事もあります。自分を本当に応援してくれている人は、口に出して『応援しています』とか言いません。そっと傍に居て、必要な時に力を貸してくれます。頬が緩むような言葉をかけてくれる人では無く、自分を律する事が出来るような人のアドバイスを聞き入れてはいかがでしょうか?
・理解出来ない時は『なぜ?』『どうすれば?』と返してみる
人からのアドバイスを聞いていく中で、自分がしたい事にブレーキをかけるような言い方をする人が居るかもしれません。アドバイスとは言え会話ですから、何も言わず理解できないまま過ごす必要はありません。上手くいくと確信していたのに止められた場合は、『なぜそう思うの?』と聞けばいいのです。そこで意味が理解できれば問題ありませんよね。また、それでも理解できない場合は、『じゃあ、どうすれば実現すると思う?』と聞くのです。そうすると、自分が思ってもみない方向からの実現方法や、考えが出てくるかもしれません。その時万が一、相手が分かっていなさ過ぎて見当違いな内容だった場合、きちんと説明すれば良いと思います。自分以外にも実現する方法を考えてくれる人が居るという事は素晴らしい事です。そのため、何でも聞き流してしまい、出来ないと思っている理由を聞くのではなく、どうすれば出来るのかのアイディアを聞いてみてはいかがでしょうか?
・話の中から何が本当に言いたい事なのかを聞き取る
相手が本当は何が言いたいのか?という所を探せる人は、コミュニケーション能力が高い方です。クレーマー相手に対応する相談員の方々もそうですが、沢山言って来られる中で、どこに一番腹が立っているのかをくみ取れるのです。これと同じで、アドバイスの中に重要とされるキーワードを見つけるといいでしょう。単語として出てくる場合もありますが、アドバイスしている側も気付かずキーワードになっていない場合もあります。例えば『いつも間に合わないのに、仕事を増やさない方がいいですよ。』『締め切りに間に合わない時はどうするのですか?タスク表を作ってみてはいかがですか?』『毎回予定の時間確認をしなければならず、自分の仕事もあるので共有カレンダー管理にしてみてはいかがですか?』など、言われた方は、都度一つ一つに答えるかもしれません。売り上げの為に仕事量を増やしたいのに、締め切りの事や、共有カレンダーに入力する時間さえ勿体ないと思ったとしましょう。でもこれ、言いたい事は『時間を守れていない』という事だけなのです。ですから、あなたが時間を守れるようになれば、全て解決するのです。ですから、『私が時間にルーズだったから心配かけているね。一先ず時間や締め切りを守れるように時間管理をするから、様子を見てくれる?』と言えば、相手は納得するはずです。このように、相手が何を言いたいのか?を見つけられるようになると、アドバイスは自分の為になる事も多くあります。
・反対意見と捉えず可能性と考える
誰でも反対意見や、注意されるような内容だと耳が痛く聞きたくないという気持ちになるのは仕方がありません。しかし、反対意見ばかりとは限らないのです。先ほども書いたように、よくよく聞けば自分を思っての事である場合もあります。何か言われるという事は、心配される要素があるという事ですので、言われる=なめられていると捉えるのではなく、変われるチャンスであるとか、何か手に入れる可能性があると捉えて欲しいのです。私の場合、残念ながらそう捉えてくださる方がいらっしゃらず、私も伝え方という部分で勉強になりました。嫌いな人とは誰も話はしませんし、ましてやアドバイスなどしないでしょう。されているという事は、思われているという事なのではないでしょうか。誰も何も言わなくなり、清々すると思っているのなら、その時は危険な状態のときでしょう。
・お酒が入っている時や感情的になりそうな日は避ける
話が深くなるにつれ、感情的になる方がいらっしゃいます。もちろん自分自身も一生懸命進めてきた事でしょうから、人からとやかく言われたらイライラしてくるかもしれません。しかし、感情的になると大切な事を見落としがちです。とはいえ、イライラしてしまうのは仕方がありませんので、少し休憩を挟むなどして工夫が必要です。また、お酒が入っている時も同じで、自分では閃いた!と思っていても、大体がただの思い付きです。もちろん思い付きがダメという事では無く、その瞬間に思いついたことを直ぐに人に押し付けてはいけません。体調が優れない時、お酒が入っている時は大切な話は避けて、楽しく過ごしましょう。
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◇聞き入れられなかった人たちの末路
ここまで、聞き入れるための気持ちの部分を書きましたが、次に聞き入れられなかった方々がどうなっているかを書いてみたいと思います。重ねて申し上げますが、ただの攻撃では無く、会社やチームの事を考えて話した事について、受け手が聞こうとしなかった場合です。大切にしている物が大きければ大きいほど、受け取る側は慎重にもなるし、我が強くなってしまいます。その我だけで進めばこうなってしまうかもしれません。
・何を言っても無駄と諦められる
人は諦められるという事ほど悲しく寂しい事はありません。始めからそうだったわけではありません、徐々にそうなっていくのですから、気付かないうちに諦められていて、気付いて直そうと思ったところで誰も興味がなくなっているのです。誰のせいでもありません、聞き入れられなかった自分の責任です。それで良いと思っているのであれば全く問題ありませんが、独りにさせられたと誰かのせいにしているのであれば、良くなる事は無いでしょう。例え新しいメンバーが増えて、良くなるように意見を出そうとしても、これまでにいたメンバーが『言ったって無駄だから止めといた方がいいよ。前もね…』などと、これまでの経緯も含めて説明され、新しい人は意見を言う気分も害されたうえ、そんな所ならと早々に退職していきます。結局、誰も良くなると期待しないまま、給料を貰うためだけに仕事をこなすだけなので、その会社やチームは、残念ながらそれ以上良くなることはありません。
・人の意見が理解できないのだと馬鹿にされる
私もこれまでに沢山出会ってきましたが、仕事をしている時にとても責任感が強く粘り強い人がいます。このような方々は、良くなると考える事は果敢に意見として出していきます。例え、1・2度聞き流されたとしても、諦めません。ところが、これが続くとどうなるかと言うと、『これが理解できないなんて可笑しい』となるのです。要するに理解出来る、出来ない。の前に、聞こうとする姿勢が無い事がバレていて、そもそも聞けない人なのだと判断されてしまうのです。そうすると、人の話を理解できない人とか、話を聞く事が出来ない人と馬鹿にされ軽蔑され兼ねません。聞き方や伝え方の問題なのかもしれませんが、あまりにも聞く姿勢が無いと極端に判断されてしまいますので、聞く姿勢というのは大切な事といえます。何もかもを面倒と思い、聞き入れもせず、話しかけるなオーラを出し続けていると、逆効果になりますので気を付けなければいけません。
・困っている時や急いでいる時に周りが非協力的
我が道をひたすら歩み、人の意見も聞かずに突き進めば、本人はとても気持ちが良いかもしれません。しかし、ある日突然起こります。困っている時や助けて欲しい時に、誰も率先して手を差し伸べてくれないのです。それにまたイラつき態度に出してしまうと、さらに周りは引いていきます。誰の意見も聞かない訳では無いでしょうが、周りは冷静に判断しているものです。この、困っている時に誰も手を差し伸べないというのは、普段の結果としか言いようがありません。そこで、無理やりにでも依頼すると、お互いの溝は深まるばかりです。ここまで来ると修復するのには大変な時間がかかります。しかも、これまで傲慢だった人が一日で改心するとは誰も信じられません。それなので、結局関係性は変わらないまま続き、誰からも相手にされない人になってしまうのです。
・長年付き合いのある人が身近に居ない
先ほどに書いたような方には特徴があります。身近にいる人は数年以内の短い付き合いの人ばかりという事です。長年の付き合いがあっても、遠くに住んでおりあまり接する機会が無い事が多いです。近くに居て良く付き合いをする人は、お互いに利益がある人や、自分に対して良い事しか言わない人です。長年付き合いをするという事は、同性であっても異性であっても根気のいるものです。良い時もあれば悪い時もある、良い面を見る時もあれば、悪い面を見る時もある。その中で互いに成長し合いながら年齢と共に変わっていく、考えや捉え方を共有して互いを尊重し合い続けていくわけですが、先ほどのような特徴の方は、自分の成長や利益、得を優先しがちなので、人は離れて行ってしまいます。初めは互いに成長し合えるのでは?と思えるのですが、徐々に耳を貸さず自分本位の考えをむき出しにしていけば、離れられて当然です。そのため、離れてから成功したというパターンが多くあります。実際、その人と付き合いがある時に成功すれば、互いに力を貸し合ったと言えるでしょうが、離れてから成功するのであれば、『毒』だったとハッキリ分かりますね。
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最後に
皆さんは、人からのアドバイスをどう取り入れていますか?私は、取り組んでいる事に足して、内容のアドバイスや、進め方のアドバイスは年齢に関係なく受け入れています。もちろん何でもすんなり受け入れるというよりは、少し納得がいかなければディスカッションをします。しかし、カウンセラーとして活動する中で、カウンセラー活動の幅というのはかなり広いのですが、誰でもしているような事をお勧めされても、なかなか同意出来ません。このように、出来る事と出来ない事があるのは良く理解しています。ですが、アドバイスが無ければ、自分一人で思いつく考えなど、たかが知れていると思うのです。人から協力を得なければ出来ない事も沢山ある訳ですから、人の意見というのはとても貴重です。不特定多数の意見を聞き回る必要はありませんが、自分が決めた人や自分に厳しい人の意見は大切にするべきです。一度失った信用は取り戻すのに大変苦労します。絶対に戻らないという事はないでしょうが、覚悟が要りますよね。自分を大切にしてくれている人を見極める事が、自分自身を大切にする事にも繋がります。メリットばかり気にせずに、聞き方を変えてデメリットだと思っていた意見やアドバイスをメリットに変えてみてはいかがでしょうか?