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マウンティングと言えば、学歴や役職だけでなくファッションや食生活まで。そのマウンティングが子供の世界にまで広がっているのをご存じですか?いじめとは違った形で、苦しむ子供たちがいます。そしてその原因は親にあるのでは?という問題です。では親のどの様な姿が子供のマウンティングに繋がっているのでしょうか?





◇子供の世界で広がっているマウンティングは親のせい!?

子供は、本当によく親を観察しています。産まれてからずっと傍いる親を見て、話す・食べる・動く事を学んで行くからです。親御さんからすると、そこまでじゃないと思っている事も、子供からすると初めて見る事であれば強烈な印象として残り、自分の行動として落とし込んでいくのです。そのため、言葉巧みに夫を言いくるめるのを見ている女の子は、その言葉遣いや目線、身振り手振りを真似して、お父さんにアレコレと指示するわけです。これくらいなら、おませな子として、可愛いで済みますが、人を傷つけるようになってもらったら困りますよね。ではまず、どのような親御さんの子供がマウンティングを取っているのかを書いてみます。




・『〇〇ちゃんに勝ったね!』と勝ち負けで褒めている

何か達成した時に、いつも仲が良くて遊んでいる子に対してでも、『〇〇ちゃんに勝ったね!偉い!』と褒めてしまっては、友達だと思っていた子をライバルとして扱うようになります。スポーツの世界で、長年切磋琢磨しながら対戦し合っているライバルが友人として絆が生まれるというのは、素晴らしい事です。これば大変な練習や困難を共に闘い抜いてきた者同士、お互いを称え認め合っているわけです。しかし、テストや体育、作品展など子供たちが自分なりに頑張った事に対して、誰かに勝ったという褒め方は良くありません。良い点数だったのであれば、それだけを褒めてあげるべきですし、万が一子供が『〇〇ちゃんより、良い点数だった。』と言ってきたら、『〇〇ちゃんも頑張っただろうね。』と返す方が良いでしょう。


・親自身が幼少期に承認欲求を満たせていなかった

親御さん自身が幼少期に学業などにコンプレックスを持っていると、子供の世界の事であってもマウンティングをしてしまう傾向があるようです。時には、自分の子供に対してマウンティングをとってしまう方もいるくらいなので、幼少期の満たされない気持ちは深いようです。私の幼少期も承認欲求は満たされませんでしたが、父親から『人と比べるな。』と言われ続けてきました。人は人、私は私と教わったので、マウンティングする気持ちはありません。マウンティングするほどの物もありませんが(笑い)しかし、どんな方法を使ってでも人より優れていると証明したい人は一定数おられます。優れていると証明したいのは、特に問題ないのですが、人を傷つけてまでする事でしょうか?ましてや、自分の子供相手にマウントを取っているようでは、子供より幼稚かもしれません。


・学歴と人間性をイコールと考えている

学歴が良いと人間性も優れていると思っている方がいらっしゃいます。もちろん、高学歴の方々は素晴らしい方が沢山いらっしゃいます。しかし、高学歴でなくても、尊敬できる素晴らしい方も同じくらい沢山いらっしゃるのです。日本を代表する大手企業の創立者の方々は、高学歴の方ばかりではありません。学歴で相手を決めるのではなく、きちんと向き合い人間性を見れば、驚くほど得意分野を持っている方が多いものです。高学歴の方々も懸命に努力され、学ばれた事でしょう。しかし、それ以外の方にも懸命に生きていらっしゃる方もいます。まずは人間性を見抜ける『目』を養う事が必要だと思います。


・親の見栄の為に子供を利用している事に気付いていない

子供の自慢をする親御さんは聞いていて微笑ましいと思い、楽しく聞かせて頂いています。親バカでと言いながらも、その顔はとても幸せそうで何よりです。しかし、自慢するために子供の人生を決めようとしている方もいらっしゃいます。当の本人は望んでいなくてもお構いなしで、小学校から大学まで決めつけて、塾などに通わせるのです。学歴社会と言われる昨今、多少の勉学の強化は理解できますが、それを望んでいない子供を見ていると可哀そうになってしまうのは私だけでしょうか?将来は、私に感謝するはずと言わんばかりの言動で進めていくのですから、子供も何も言えなくなってしまいます。子供が有名大学に通うのは確かに嬉しいでしょうが、本人が望んだ事では無く、親がそうしろと迫るのは子供の感情育成には良くなさそうです。


・人類みな、学歴や仕事の役職が良いと成功で幸せだと思い込んでいる

人には人のやり易さや、考え・好みがあります。全ての人間が出世したくて、高学歴で進みたい訳ではありません。出来ない人の負け惜しみと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、本当に好まない人もいます。そして、それでも人に感動を与えている方もいれば、人の為にと毎日奮闘している方もいらっしゃいます。それは、自分の子供であっても同じことが言えるはずです。お父さんは会社の社長、お母さんはお嬢様で何不自由なく育っていても、子供は会社を継がず、他の事がしたいと願う事だってあります。自分の人生や、父親の人生をそのまま同じように生きる事が正解と考え過ぎていると、そうでない人の事を下に見がちです。他の子と比べられている事も子供は理解できますので、何が成功か、何が幸せかは子供が決める事なのではないでしょうか。


他の人の記事:「マウンティング癖がある子ども」親の行動に1つの共通点



◇マウンティング癖のついた子供の行く末とは

とはいえ、すでに学校では子供のマウンティングは行われています。それぞれの家庭の事情で子供に影響が出たのでしょう。しかし、早い段階でこのマウンティング癖は直しておかないと、後から苦労するのは子供本人です。いい学校に行っていい仕事に就けば、そんな小さな事どうでもいい。とお考えの方は間違っています。人を傷つけた人は、必ず自分も傷つく羽目になってしまいます。分け隔てなく人と接して、せっかく頑張って入った学校や会社で、円滑に人付き合いが出来るように導くのも親の務めです。誰かと比べて下に見るような言動があれば気を付けなければいけません。それを怠ってしまうと、次のような人格になる恐れがあります。


以前に書いた記事:親の言葉は知らず知らずのうちに子供を支配している



・人と比較した自分でしか自分を評価出来なくなる

元から人と比べられて育ってしまうと、何かにつけて自分の評価を人と比べてしまいます。自己評価だけに人を使うのであれば、百歩譲って問題ないかもしれませんが、その比べた相手を敵視するようになってしまう恐れもあります。勝手に比べる相手として選出したのにも関わらず、比べられた人からすれば敵視されるなんて大迷惑です。また、人と比べ無いと自己評価が出来ないというのは、とても悲しい事ともいえます。なぜかと言うと人は、全く同じ人は居ません。当たり前ですが、その人がその人であって全く問題ないのです。それなのに人と比べて自分を見るなど、ありえないことです。きちんと自己評価出来るように、人と比べるのではなく自分が作った目標や目的に対してどうだったかを見られるようになると良いですね。


・上手くいかなかった時に自分で立て直すことが出来ず人の足を引っ張る

人より優位にいる事などが目標になっていると、万が一挫折した時に自分で立ち直る事が出来ない子になってしまいます。ご自身で落ち込むならまだマシですが、中には自分が落ちたからと言って、比べている相手も落としてやろうと考える方がいらっしゃいます。要するに、自分より下まで人の足を引っ張って、自分を優位に持って行こうという考えです。にわか信じがたい話ですが、実在してしまうのです。下まで引きずり降ろされた方は溜まったもんじゃないわけですが、そういう方に限って又一から頑張ってらっしゃるのです。自分が立ち直るように努力したり、またトップに立てるように奮起したりする事は考えず、人を引きずり降ろす事しか考えない人は、その後の活躍には期待できそうにありません。


・周りから嫌われ信頼されなくなってしまう

社会人になれば、チームワークがものを言う世界でもあります。成績は個人であっても、会社組織という中ではチームと言えるでしょう。そのような中、一人だけ優位に立ちたがり、何か不具合があると相手を敵視し、自分のミスには誰かを巻き込むようでは、周りから信頼されなくなってしまいます。始めのうちは許して貰えたとしても、長くは続かないでしょう。それでも、このタイプの方は自分が反省する事は無く、周りが無能だと言い続けます。早く気付けるか、とても面倒見の良い先輩に出会うかすれば、良くなるかもしれませんが、このままだと孤立する事は目に見えていますね。


・比べる事が得意で相手の良いところを見つける事が出来ない

初対面の会話ですら人と比べてくる方がいらっしゃいます。大学がどこだとか、どこ出身かなどです。先に人に聞いておいて、自分の方が優位と感じた時は話を続けるのです。そこからは、自分の話のオンパレードでしょう。そのため、相手の良いところを見つけるという事を知りません。もちろん、自分の良いところも言えていません。マウンティング中に出てくる出身大学や、職業は、その人の良いところではありません。社会人にもなって、そのような事も分からず、相手が引いている事にも気づかず、ひたすらマウントを取り続ける人。相手の良いところや得意な事、また今後の事などを気軽にお互いが話せるような人格にならなければ、初対面からダメな人のレッテルを貼られてしまいます。


・アドバイスや助言が聞けず素直になれなくなる

優位にあると考えている方は、人のアドバイスや助言が聞けません。たとえ上司からのアドバイスであっても、自分を理解していないとか、自分を評価しない上司が悪いとか言い出します。そして自分にとって気持ちのいい言葉を言ってくれる人とだけ付き合うようになります。自分に対して、良い事しか言わない人というのは、本当の意味で自分を想ってくれている人ではありません。それなのに、気分が良いというだけで、そのような方々と付き合いをしてしまうのです。数名の人数になると、皆が同じマウンティング仲間なので、自分が間違っているとは考えなくなるでしょう。そうしているうちに、せっかくのアドバイスなどが消え去って行くのです。絶対にアドバイスを聞かなければならないという事はありませんが、自分に必要な事かどうかを考える事もせず突っぱねてしまうのは、素直ではありませんね。




最後に

いかがでしたでしょうか。子供の世界のいじめも大問題ですが、このように自分と人を比べて評価をするというやり方は、間違っているのではないでしょうか?勉強やファッションだけでなく、体形や家庭の収入なのも対象になっているようです。大人の世界でもマウンティングする人は嫌われています。親御さんは、そんな事より子供の学歴や就職先が気になるのでしょうが、今後苦労するのは可愛い子供たちです。人の事も認めて、自力で自分の事を磨けるようにしていかなければなりません。子供は良く観察しているので、何気なくしている言動に気を付けたいものです。

2023年8月1日
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