まずはお気軽に相談予約・お問い合わせください。

ブログ

相談を依頼される時に、ご紹介者様から『何かアドバイスしてあげてよ』と言われる事があります。私は基本的にアドバイスをいたしません。全く手がかりが見つけられない方へは、いくつか選択肢をご提案する事はありますが、通常はあくまでもご本人の気づきを大切にしています。ここでは、なぜ希望通りのアドバイスをしないのかを書きます。




◇本人の気付きが大切なのはなぜ?アドバイスしてはいけない理由とは

全てのアドバイスが悪いわけではありませんが、本人の気付き無しでは救えない事も多くあります。アドバイスというのは、自分の経験からお勧めする事を伝えるのですが、そのアドバイス自体が本当に合っているのかは分かりません。そこで、なぜ気付きに着目してアドバイスを控えているのかを、書いてみたいと思います。まずは、むやみにアドバイスする事のデメリットです。



□自分で納得しないと本当の意味では変わらないから

アドバイスする側にも経験があるように、受ける側にも経験があります。それを無視した状態で一方的にアドバイスしても、相手が納得していなければ良くはならないのです。アドバイスする側が良い方法だと考えている事が、受ける側が同じようなやり方で失敗した経験があれば、そのアドバイスは無意味です。そこで、相手にしっかりと納得してもらうためには、本人の気付きと納得を得る必要があるのです。心から納得すれば、直ぐに変化が見られるでしょう。相手の経験も活かしながら進めるのか、違うやり方を試してみるのか?もしくは、思いつかない新たな発想を欲しがっているのか。どれに当たる事であっても、全て相手が納得する事が大切です。納得しなければ、分かった気になっているだけで本当の意味で変わる事は無いでしょう。


□アドバイスした事が本人に向かない事ならストレスになる

例えば、男性に気に入られたいという女性に対して、手はこの様な動きをして、足はこう置く。また、話をする時は上目遣いで瞬きを多く。とアドバイスしたとしましょう。その女性が、上目遣いや女性らしい行動が苦手な人だったらどうでしょう。このように振る舞うように言われ、実行するのはとてもストレスだと思いませんか?また男性だって、そのような女性が好きな人ばかりではありません。その情報も無く一方的に、女性らしいと言われている言動をさせても意味が無い上に、本人にストレスを与えてしまいます。本人に合った、コミュニケーションの取り方をしてもらわなければいけません。さらに、取り繕った状態で上手くいきお付き合いをする事になったとしたら、何年も自分を偽って過ごさなければならないのです。当然、途中で疲れてくるし、結婚や子供など生まれれば、偽っていられなくなります。そして本性が出てくるわけです。その時点でお互い理解しあえている相手なら良いのですが、男性側からすると、その本性にがっかりして態度に現れるようになるでしょう。そうすると女性側は、旦那が変わったと言い出すのです。始めに騙していたのは誰ですか?このように、本人に向かない事をすると異性でも同性であっても、互いにストレスになってしまう可能性がありますから、向かない事をアドバイスするのは良くありません。

他の人の記事:アドバイスをされて嫌な気分に陥る時の心理とその解消法


□真の強さは本人が気付いてから始まる

気付きというのは、本当に素晴らしい事で、自分に自信を取り戻してくれるものです。何か特別な事が出来なくても、そうゆうことか!と気付くと、スッと心の靄が消えていくのが分かります。そうすると晴れ晴れとした気分になり、身体が軽くなったような気にさえなるものです。気付きがあって納得できると、しっかりと歩みだせるので、少々の事ではブレない人になります。また、自分がこれから進むことにワクワクする事だってあります。自分が納得して行動しているので、それには自信を感じますし、凛とした雰囲気を纏います。強がり、経験者だと豪語している人より、本当の意味で真の強さが身に着くのです。これも、先ほど同様で本人が心から納得して行動する事が大切です。


□アドバイスは相手を傷つけてしまうこともある

アドバイス好きな方っていらっしゃいますよね。お世話焼きで、情が深い方だと思います。しかし、中には相手が誰であろうが、自分が思った事を押し付ける事をアドバイスだと勘違いしている方もいます。そのような方は、ハッキリ言って相手の事を知りません。また、聞こうともしません。相手の事が分からず、よく知らないまま自分の考えだけを押し付けていくと、相手を傷つけている事があります。もっとこうした方がいいよ。という一言でも、相手からすると、しているのに出来ないから困っているのに。と、さらに辛い気分になります。また、家庭環境や育ってきた地域の環境で、色んな考えや生き方があるのにも関わらず、自分の生まれ育った環境だけを正として相手にアドバイスしてしまうと、安易に相手の環境が悪いと言わんばかりになってしまいます。自分で選べなかった環境であれば、それも込みで話は聞かなければいけません。顔は笑っていても、心で傷ついている人がいるかもしれません。




◇相手を決めつけてしまうと気付きどころか離れてしまう

このように、相手をよく理解していないままアドバイスをしていくと、勝手な憶測で話が進み、相手からするとアドバイスがズレているように感じる事があります。そうすると、話が合わない人と認定されてしまい、結局離れて行ってしまいます。アドバイスした側からすると、せっかくアドバイスしてあげたのに、連絡もしてこない。と思うかもしれませんが、そのアドバイスが原因で相手に誤解されてしまっているのです。本人が望まないのであればアドバイスはしない方が良いと思いますが、万が一アドバイスするならば、どのような事に気を付けなければいけないのかを書いてみたいと思います。


以前に書いた記事:何でも決めつける人は嫌われる!?決めつける人の特徴はこんな人



□アドバイスは相手の良いところも悪いところも理解している必要性がある

これまでに書いたように、アドバイスをするにあたっては、長所も短所も良く理解していて、そのどちらも自分が受け入れられている状態でなければいけません。悪い所だけをピックアップして、一方的にアドバイスすると相手は疲れます。良くなって欲しいという気持ちは良く分かりますが、相手には伝わりにくいはず。また、良いところも悪いところも良く理解しており、受け入れているとアドバイスしにくいというのであれば、アドバイスしなくても良いのです。良く知らない人からアドバイスを求められた場合は、アドバイスに必要な情報だけは、しっかりと聞いてからお話しすると良いかもしれません。とにかく、相手を知らない状態で一方的にアドバイスをするのは、止めた方がいいと言えます。


□そのアドバイスは上から目線のマウンティングになっていませんか?

特に役職のある女性に多く見られるのですが、アドバイスと言いつつ結局マウントをとっているというケース。本人はそのつもりは無いかもしれませんが、相手は気付いていますよ。『私は役員で、経験していることがあなたより多いから、相談してね』と言われたら、この人には絶対相談しないでおこう。と思ってしまいます。相談するのに、役職などは関係ないのです。確かに、その立場なら経験している事は多いでしょう。しかし相手の相談が、昇進したいという内容か、もしくは同じ役員で何かへの対応の相談でない限り、一般職員からするとマウントにとられます。また、容姿やファッションに対してのアドバイスも、マウントと捉えられるケースが多いので、相手から求められていないのであればアドバイスは無用です。


□アドバイスを受けたい人ばかりではない

良かれと思い一生懸命アドバイスしても、なかなか良くならないと悩まれている方。その相手は、アドバイスを受けたい人ではないかもしれません。中には、実行したり身につけたりするのに時間がかかる人もいますが、努力している感じさえ無いのであれば、アドバイスを受けたい人では無いという事です。最悪なケースは、コミュニケーションのつもりで、相手から『色々教えてください』とか、『何かアドバイスください』と言って来ていながら、実際アドバイスすると何にも聞いていないという人さえいます。ですから、アドバイスをした後、その人が変わらないからといって落ち込まなくても大丈夫です。そもそもアドバイスを受けたくない人なので、変わる気は元から無いのです。また、『人のアドバイスは聞くべきだ。』と論ずる事も止めた方がいいでしょう。そう思っているのは自分だけで、その逆もいて『人のアドバイスは聞かない方がいい。』という人もいるからです。


□アドバイスするなら責任を持つ覚悟で

以前に、『そんな会社辞めた方がいいよ。』とアドバイスをしている人がいました。私は、そのアドバイスをした人に、『では、その後この方の就職先を紹介してくださるのですか?』と聞いたことがあります。もちろん、アドバイスをした方は、そこまでは考えていません。確かに辛い思いをして働いているのを聞いたら、辞めた方がいいと感じはしますが、ほとんどの方がその後の事までは考えてはくれません。アドバイスするだけで、その方の生活の事までは考えないのです。やはり、アドバイスするなら責任も発生します。そこまで面倒を見られないのであれば、生活や人生に関わるようなアドバイスは、簡単にしてはいけません。そこまで大そうな事でなくても、悩んでいる相手からすると、重大な事かもしれません。小さい大きいに関わらず、相手にアドバイスするのであれば、その後の事も考える。反対に、責任が取れないのであれば、アドバイスはしない方がいいでしょう。





終わりに

いかがでしたでしょうか?私が、アドバイスをするという事より、相手に気付いてもらう事を大切にしているのは、気付いて納得しないと、本人が真から動けないからという事と、無責任なアドバイスをしないという理由からです。何かアドバイスしてあげてよ。と言うのは簡単ですが、そこにはその方も生きてきた人生や経験値があります。安易にアドバイスをするのは、とても失礼だと感じますし、本当に必要のかも相手次第です。こちらから見た評価だけで全てを決めつけると、大切な関係に溝が出来てしまいます。ご本人が本当に必要だという事だけが気付けるように導き、ご本人が自ら道を創るべきなのです。そうする事で、自信を持って進むことが出来るのではないでしょうか。

2023年7月21日
カテゴリー

コメントは受け付けていません。