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感情という単語はよく耳にすると思いますが、この第一感情とか第二感情というのは、あまり知られていません。聞いたことはあっても、自分のものに出来ている人は少ないようです。ここでは、その仕組みを知って、自分の生活に取り入れながら、生き方を楽にしていこうという内容を書いてみたいと思います。




◇第一感情と第二感情の違いは何?しくみを知ってもっと楽に生きよう

私は、この第一感情という存在を知った時に、とても衝撃を受けました。純粋に、『あっ!本当だ!』と感激したくらいです。この感情を幼少期に知っていれば、もっと気持ちを楽に出来たのに、知らなかった事で疑問ばかりが多かったように思います。是非、知らない方には知ってもらい、もっと生き方を楽にしてもらえれば幸いです。ではまず、第一感情と第二感情について書いてみたいと思います。



□第一感情と第二感情の違いとは

まずその違いについて、簡単に説明してみたいと思います。分かりやすいのは第二感情です。例えば友達に嫌な事を言われて、腹が立ちイライラする。これが、第二感情です。その後他の人に愚痴を言い、相手にも何かあったのかもと、相手の事を考えて抱く感情は第三になってきます。では、第一はどこにあったのか?それは、大切な友達に、嫌な事を言われたその瞬間です。その時に、『大切だと思っていた子に嫌な事を言われると思いもしなかった…悲しい』この、悲しいが第一感情です。悲しいと感じて、好きだった子に悲しい思いをさせられた事に怒りが付いてくるのです。そして、表に出る時は怒りの方が出てしまうという仕組みです。ですから、第一感情はその瞬間で自分でも気付かないくらい一瞬感じている感情で、第二感情は第一感情から派生する感情となります。


□相手に伝わらないのは第二感情をぶつけるからである

そうゆう事ですので、なぜか相手に伝わらないというのは、本来自分が感じた感情では無く、第二感情(派生したもの)を伝えている事になるので、相手からすると理解できなかったり、こちらも伝えきれていなかったりして上手くいかないのです。これは、自分からばかりでなく、相手もそうであるケースが多いので、お互い自分の気持ちとは違う所で話をしている場合も多々あります。話し合いが出来たとして、後半になって初めて、あの言い方だと悲しかったなど、本当の感情がやっと出てきます。それを聞いて、相手は『そうだったの?そんなつもりではなかったよ。悲しい思いをさせて、ごめんね。』と、すんなり話がまとまるのです。こんな事なら、初めから本当の感情を出せばよかったと思う事になり兼ねません。


□第一感情を自分で知る方法とは

小さい子は、第一感情でしか話をしません。悲しい・嬉しい・イヤな気分・寂しい等です。話始めたころは、物に対しても擬人化して第一感情を話します。『痛かったね。かわいそうに。』『誰も居なくて、寂しかった?』『泣いているの?悲しいね』などです。ですから人は皆、第一感情を知っているのです。知ってはいるけど、大人になるにつれ第一感情を言うのは幼い・大人げないと思い、抑え込んでいくのです。確かに、大人の世界で第一感情ばかりを言っていては、話が進まない事だらけかもしれませんが、家族や友人または対人関係の大切な時は、この第一感情は大切な感情となります。ですから、怒りや腹立たしい事、涙が出るような時に思い返して欲しいのです。本当はどんな感情なのかを。多いのは、やはり悲しさや寂しさが多いとは思いますが、それを自分で認識する事が大切なのです。


□第一感情の受け止め方と伝え方

では感情を知って認識した後は、それを受け入れて伝える方法です。私も経験がありますが、ある人物に腹が立って、すっとイライラしていました。しかし、第一感情を探ると、きっとその人の事が好きだったのだと思います。好きだからこそ、伝わらない・聞いてくれないという事に寂しさを感じて、苛立ちになっていたと思います。寂しさのほかに、自分の事を最後まで信頼してくれなかった事に対して、悲しみもあったはずです。ここで問題なのが、嫌いになってしまった後に、受け入れる難しさです。分かってはいても、なかなか受け入れるのには時間がかかりますよね。嫌いと公言しておいて、好きだったなんて、なんだか言えない・思えないという邪魔な感情が現れてきます。しかし、それを外せば楽は楽です。客観的な見方として捉えて、今はそうゆう感情になってしまったかもしれないが、本来は好きだったと認めざるを得ないのです。私の場合、伝える事は叶いませんが、伝えるとすれば先ほど書いたように、『本当は貴方の為を思って言っていたことが伝わらない・聞き入れてもらえないと思い、悲しかった。でも、あなたにも同じ気持ちにさせたかもしれませんね。』と言えるかもしれません。相手も、私に理解されないと、悲しんでいたかもしれないからです。互いに、第二感情で話をしていたから、交わる事はありませんでした。大切だと思う人に気持ちを伝えようと思ったら、出来るだけ第一感情を丁寧に伝えた方がいいですね。


□第二感情の処理方法

とはいえ、表に出るのは瞬間的に第二感情の方です。これをどうにか処理しなければいけません。第二感情を重視していると、本当に理解し合える関係性は出来ないからです。ではどのように処理したらいいのでしょうか。私は、一度その場から席を立ち、時間を空けます。ほんの1分でも感情をコントロールできるからです。本来言いたかったのはこれでは無いと考え直せるし、相手が言いたい事もこれでは無いかもと思いかえすのです。大事なのは、第二感情が主な感情では無いということです。怒りに任せてその場しのぎの言葉を口に出してしまい、相手を傷つけるような事になってもいけないし、自分の言いたい事が伝わらないのも良くありません。あくまでも怒りやイライラは第二感情であると認識して、それを全面的に表に出さないように、時間を空けたり、一度話を止めたりしながら進めてみてはいかがでしょうか。


他の記事:感情をコントロールする方法


◆上手くいかない相手へは第一感情を引き出せると良い

このように、自分にもある第一感情は当然相手にもあります。上手くいかないなと感じたときは、相手も第一感情を出していない場合があります。そこで、話をしながら相手の第一感情を引き出していけば、相手が本来言いたかったことが分かり、話を進めるのにスムーズになるでしょう。では次に、引き出す時のポイントや、注意点を書いてみたいと思います。自分もそうですが、第一感情はデリケートですので、むやみやたらに聞きまくるのはお勧めしません。


以前に書いた記事:心の声に耳を傾けよう!心と脳の関係性を知って心と対話する必要性とは?



□責められている事に府が落ちない時は第一感情を引き出す

一方的に責められている時に、どうしても腑に落ちない場合がありますよね。しかも、こちらは何度も説明しているのにも関わらず、同じことを言って来る人。そんな人は、第二感情だけで話をしてきているケースが多いです。ですから、第二感情に対して返答しているこちらの答えが、相手が本来欲しい答えでは無いため、何度も同じ話をされるのです。そのような時は、少しずつ第一感j等を引き出していけば、相手が本当に求めていた答えを出すことが出来るでしょう。例えば、『〇〇してくれたら良かったのに!』と言っている場合、通常なら『分かった、これからそうするわ。』とか、『して欲しいなら言ってくれたら良かったのに。』と返したとしましょう。これが第二感情に対しての返答だとして、引き出すのは、『しなかった事で、嫌な思いをさせたの?』とか、『私が出来ると思ったのに、がっかりしたの?』という風に、感情を語れるようなシュチュエーションに持っていくのです。直ぐに言ってくれる人なら良いのですが、中には『嫌な思いをしたわけじゃないけど。』という所で止める人が居ます。その時は、『でも嫌な思いをしたからこそ、こうやって一生懸命私に伝えようとしてくれているのでしょ?』というふうに、言いたい事を理解したいという気持ちを伝えてみましょう。ここまで言えば、思っている感情を話してくれるはずです。


□口をついて出てくる言葉は第二感情だと理解してあげる

ですから、どんなに嫌な言葉でも、相手は第二感情を言っているだけで、本来の気持ちは別の所にあるはずと考えて、相手を理解してあげて欲しいのです。私も簡単にできるわけではありませんが努力しています。そう思っているだけで、あまり相手に対してイライラしないからです。ただし、第一感情まで聞いてあげたいと思う人には時間をかけますが、あまり付き合わなくてもいいかな?と思う様な人には、ただ第二感情で話をしてらっしゃるな。と捉えて、本来の感情では無いだろうと思う所で止めています。時間をかけるか、かけないかは自分で決めたら良いと思いますが、どなた様も第二感情で話をしているのだろうと思う事は、言われた言葉を真っ向から聞いて、こちらの感情を揺さぶられる事を思うと、随分楽です。


□本当の事が言えるように間を空いてあげる

私もそうなのですが、第一感情を引き出すのに時間がかかる人がいます。せっかく出してくれようとしているのに、急かしてしまっては意味がありません。目線が下に行ったり、目をつぶったりしている場合は、情報を整理している時に起こる仕草の一つです。こちらが質問して、下を向いたり目を閉じたりした場合は、少し間を取ってあげる必要があります。矢継ぎ早に質問も投げ掛けず、一つ一つにしてあげるのも相手の為です。誰でも、本心を言うという事は勇気が要りますので、本当に交友を深めたくて、続けたい人にはじっくり時間をかけましょう。


□相手が第一感情を探っている時に決めつける発言はしない

第一感情を伝えるのに、なかなか上手く言葉に出来ない人もいます。この感情は、何と言ったらいいんだろう?と、悩むのです。そんな時に、悲しかったんじゃない?など、こちらから感情を言ってしまうのは絶対止めてください。相手は、『うん、そうかも!?』となってしまい、せっかくの本人の気づきが台無しになってしまいます。自分以外の人の感情は、その人だけのものと捉え、相手の感情を決めつけるのは良くありません。自分が提案した感情がたとえ合っていたとしても、相手のペースに合わせないのであれば聞くべきではありません。本当に関係性を深めたいのであれば、相手の感情を大切にして、決めつけるような発言はしないように心がけましょう。


□本来の第一感情が見えたときは共感の姿勢をみせる

では最後に、相手が本来の感情である、第一感情を言ってくれたとしましょう。その時は、自分の思っていた事と違っても否定してはいけません。そうだったのかと、共感してあげてください。人によって物事への考え方が違うのと同じで、第一感情も様々です。『えっ?』という感じで引いてしまうと、相手は伝えた事を後悔してしまいます。大切にしたい相手で、しっかりと時間をかけて引き出した第一感情ですから、その感情を大切にしてほしいのです。誰にでも伝えられる事では無いし、いつでも言える事ではないかもしれません。逆も同じですが、自分の第一感情を口にするのは勇気が要りますよね。是非、共感してお互いに話し合える環境を作ってみてください。


最後に

いかがでしたでしょうか。そんなに第一感情って必要?と思われるかもしれませんが、本当に思っている事では無い事を口にして、互いに論点がずれているという事は結構良くある話です。隠しているつもりでは無く、その気持ちに気付かなかったり、言うものと知らなかったりして、置き去りにされているものです。第一感情を大切にして、話をしていくと相手にも理解されやすいし、論点がずれる事はありません。被害妄想のように自分の思いばかりをぶつけるのではなく、平気だと思われないために、感情を口にして伝えるという事は大切なのです。この第一感情を理解できるようになれば、自分の事であっても相手の事であっても、言われた言葉や言った言葉だけで物事を捉えなくなり、かなり心は穏やかになります。また、自分の第一感情を知り、それを認める事で自分との対話にもなり、安心感を持てるようにもなるのです。

2023年6月28日
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