私がカウンセラーの資格を取る時に学んでいた時は無かった障がいの一つです。ゲーム障がいで親に暴力を振るったり、最悪の場合は親を殺めてしまう子までいます。ゲーム障がいになってしまった要因は何だったのでしょうか?ここでは、ゲーム障がいに陥らないために、親が出来る事を書いてみたいと思います。
目次
◇ゲーム障がいとはどんなもの?わが子をゲーム障がいにしないために何が出来る?
たかがゲームと思って放っておくと、本人も知らないうちにのめり込んでしまい、抜け出せなくなってしまいます。これはマズイと思ってから引き離そうとしても、簡単な事ではありません。ですから、幼少期からの注意が不可欠な事なのです。では、実際にはどの様に気を付けたら良いのかをいくつか挙げてみたいと思います。単にゲームをさせないという事だけでは解決しません。
・どのような事でも、ここからここまでの範囲を決めて遊ぶ
口ではもう止めなさいと言っていても、つい自分のこなさなければいけない家事などに追われて、そのまま見過ごしてしまう事があると思います。止めさせた後は面倒を見なければいけないし、大変ですよね。しかし、範囲を決めるという事は想像以上に大切な事で、ゲーム障がいに限らず、大人になって最低限必要な事にもなります。仕事でも、一つの課題に対して、ここまでに終わらせようと計画が立てられない人がいます。このように、自分でここからここまでと、計画が立てられるような人に育てるためのも必要な事といえます。おもちゃで遊ぶとき、時計を使っても良いし、タイマーを使ってもいいので、こうなったら次はこれしようね。と言い、順番がある事を教えていくと良いと思います。次にする事も遊び感覚で進めていければ尚良いとは思いますが、その日の段取りもあるでしょう。突然終わりになると、気持ちに整理が出来ない年齢だと、ごねだしたり泣き出したりしますので、少し前から声掛けをしつつ、心の準備をしてあげるといいと思います。
・友人との時間であっても子供にYouTubeばかりを見せない
友人との時間など、ゆっくりお話がしたいから、動き回られたり話しかけられたりしたら気が散りますよね。そこで、YouTube見ていなさいと言い、何時間もYouTubeを見せ続けるのは止めましょう。確かに動く映像は子供がじっと座っているのには効果的です。しかし、これが止められなくなる原因の一つでもあります。何度か続けると子供の方から、『ママ、YouTube』と言い出すようになり、ご飯を食べてからと言うと、不機嫌になる事や、しっかりと食べないまま、YouTube見たさにご馳走様をしてしまう事も。初めからYouTubeでは無く、動く絵本など少々本というものに触れさせておくといいでしょう。これは、初めが肝心なので注意が必要です。子供がYouTubeを覚えきる前に、本という存在をもっと身近にしてあげる事です。本というのはYouTubeと違い視覚的な要素も多く、また自分で想像するという要素も多く含まれているので、小学校に上がってから、物事を理解する能力が上がります。ボキャブラーにも関わってくることですので、本の存在を強くしてあげましょう。
・決めた時間が過ぎたら泣いていようが止めさせる
さて、遊ぶ範囲を決めたは良いが、終わりの時間が来てもなかなか止めないというのは、子供であれば誰にでもあることでしょう。しかし、大声で泣かれたらつい許してしまう。あと30分ねなどと伸ばしてしまうというのはお勧めしません。その子は、ワガママが通ると思ったら、ワガママが通るような事であれば、何でもするようになってしまうからです。始めは泣く、奇声を発するくらいだったことが大きくなるにつれ、物を投げる、物を蹴るになっていき、次は睨んだり無視したりするようになります。こうなってはどうする事も出来ず、親も嫌われたくないという思いから、全てを受け入れてしまうようになってしまうという事になり兼ねません。一番初めから、泣こうがジタバタしようが、約束したことは覆らないという事を、しっかりと教えていればその後の教育にも大きく違いが出てきます。お店の中などでギャーギャー泣かれたら嫌ですよね。でも、いったん外に出すなどして、親として約束したことは絶対である事を教えていきましょう。
・一日一回は外で遊び、様々な事を学ばせる
家事などでする事が多いと、どうしても家での遊びが多くなってしまいます。そこでYouTubeなどが効果的な事もあるでしょう。しかし一度は外に出て、子供がこけたり、どこかにぶつけたりするのを体験させましょう。それで痛みという事を覚えます。これくらいの衝撃でこれほど痛いのだと知るのは、非常に大切な事です。可愛くて痛い思いをさせたくないという気持ちは分かりますが、自分が痛みを知っていれば人に対して痛みを与える事は少なくなります。どれほどの痛みかを知っている人と知らない人では格段の差がありますし、また自分の親であれば何をしても良いという考えになる事も防げるでしょう。
◇怖い結末!ゲーム障がいに陥ってしまって子はどうなってしまう?
実際にゲーム障がいになってしまい、人を殺めるまでになる事件は非常に残念な事です。たとえ未成年であっても非常に厳しい現実が待っている事になります。家族としても、どのように受け止めていいか分からず、苦しい思いをされるでしょう。行き場のない思いを抱えながら生きていかなければならないのは、想像しただけでも辛いものです。自分の子供は大丈夫と思わず、孫や親せきの子供の事を考えれば、他人ごとではありません。ここで、ゲーム依存症やゲーム障がいについて考えてみてください。
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・もともと社会から離れていたのにさらにかけ離れる事になる
ゲームに依存していると、社会との関りが薄くなり、現実味がなくなります。そこで、犯罪を犯し施設に入るような事になれば、なおさら社会との間に距離が出来てしまうのです。元々社交的ではない子供が陥りやすいため、そのような施設に入っても適応できず辛い日々を送る事になるでしょう。社会からかけ離れてしまうと、自分の価値や自分の使命などを見つける事も出来ず、もがき苦しむ子もいます。なぜそうなるかというと、15歳くらいから始まる、アイデンティティーの形成を通常通り通っていないため、見つけ方が分からないのです。時間がかかる事ですし、施設に入った子供をどう受け止めていくかという事は、家族にとっても大変な事となるでしょう。
・人との関りもゲーム内になり実像している人と認識していない
自分に関わる全ての事がゲーム内になってしまうと、自分を取り巻く周りの人の方が現実的では無くなってしまいます。嘘のような話ですが、これが本当の話なのです。ゲーム内で繋がっている人が実物になり、親や周りの大人が非現実的なのです。ですから、親からうるさく言われると、非現実的な人に言われる訳ですから、消えてしまえと考えるのです。とても怖い考えですが、のめり込んでいるとそれが当たり前になってしまうのです。小さいころからゲームの世界で生きていると、その世界が現実なので何もかもが嘘くさく見えてしまうのも実際ある話です。親から見て、自分たちを現実と見ていないというのは、寂しさを通り越して辛いものとなるでしょう。
・それしか知らない育ち方をしていると切り離された時に本人が苦労する
ゲームの世界でしか生きてきておらず、ある日突然施設などに入所した場合、どう生活して良いか分からなくなります。特に時間の使い方です。一日中ゲームをしていたとしたら、その時間他にする事が無いので、気が抜けたようになる場合や、最悪の場合は自分からゲームを奪った親に対して怒りを覚える子もいます。その怒りはとても大きく、退所後も執拗に付きまとう恐れがあるのです。施設での生活は、表向き良い態度で過ごしており、早めの退所が出来たとしても手放しでは喜べません。本当に理解しているのでは無く、早く出るための作戦である可能性もあるからです。作戦だった場合、やっと退所出来たと思ったのもつかの間で、家庭内暴力に発展する可能性もあり、また施設への入所となり、子供自体の自立への道は遠くなるばかりです。
・子供を犯罪者にしてはしけない
自分の子供は大丈夫と思いたい気持ちは良く分かります。そうでない親御さんは居ないでしょう。しかし、世間では実際犯罪を犯してしまう子供がいるのが現実です。他人事と思わずに、自分の子供を犯罪者にしてはいけないと強い気持ちでいましょう。子供だって犯罪を起こすためにゲームをしていたわけではありませんし、抑制できないのはなぜなのかも分かっていません。子供が自分の力で様々な事を選択して生きていけるように、小さな時からどのように接していくかが大切なのです。人を殺めるような大罪ではないにしろ、軽犯罪も含めて暴力を振るうような子にしないようにしましょう。障がいと言うと親の遺伝子が大きく左右される事もありますが、このゲーム依存やゲーム障がいは、ある程度の幼少期の教育により、抑制出来るものも多いはずです。
・e-スポーツなどで活躍するとは限らない
子供は夢があり、大きな希望を抱えています。それゆえ、時に後先考えずに言葉にする事もあります。例えば、親元を離れて東京へ出たい場合、本当は親から離れて自由に暮らすことが目的であっても、そのような本音を言うと反対されるに決まっていると予想して、東京の〇〇という学校に通って、将来〇〇を目指したい。という風に、ごもっともな言葉を並べます。実は、私もそうでした。この様に、子供であっても親の言葉を予想して、先回りするような作戦を立てるものなのです。ゲームがしたいがために、世界大会がある名前を使ったり、コンピューターの大手会社の名前を出したりするかもしれません。親は、良く分からないというのと、プロの選手たちのように一日の大半を野球やサッカーに費やした話を聞いて、ゲームも役に立つのかもと考えてしまうこともあるようです。ここで申し上げたいのは、e-スポーツが悪いという事では無く、本当の事を言っているのかどうかを良く観察する必要があるという事です。
最後に
いかがでしたでしょうか。痛ましいニュースを見ると、本当に心が痛みます。なぜこうなる前に対応出来なかったのかと、家族の方々は後悔されるでしょうし、当の本人も気付いた時には取り返しがつかない事をしてしまい、社会復帰するのにも苦労されるでしょう。小さいころから常にしている事は、簡単に変えられないのが人間です。それが快楽に繋がる事であれば、なおさら依存性が高まる一方なのです。仲間と集まって煙草を吸うというような分かりやすい不良と違い、人との接触は皆無で、独りで没頭できるところが、さらにのめり込ませる罠があります。ゲームは楽しいものです。私もしたことはありますし、反対ではありません。ただ、人(人格)が変わるほどに固執するようではいけませんので、親や周りの大人たちも含めて、子供の依存を救いたいものです。
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