人から騙されたくないというのは、誰しも思う事でしょう。騙されたくないという心理はなぜ起こるのか?また、騙されたくないと強く思い過ぎると、実は騙す側になってしまう恐れもあります。ここでは、騙されたくないと思う心理と、そう思っている人がなぜ騙す側になってしまうのかを書いてみたいと思います。
目次
◆騙されたくないという心理が表すものとは?騙されたくない人が騙す側になる危険も
そもそも普通の人は、人から大金や名声を騙されるというような経験をしていないかもしれません。しかし小さなことであれば、騙された!と思う事は起こっているかもしれませんね。騙されたと分かった時は、とても嫌な気分になるものですが、案外仕方ないと割り切れる人もいるようです。今回はその逆で、騙されたくないと思う心理はどこから来るものなのかを先に挙げてみたいと思います。割り切れる人から見たら、そこまで?と思うほど怒り狂う人は、このような心理のようです。
・騙されると悲しく辛いので防衛本能が働く
全く知らない人ならともかく、大体が知っている人から騙されます。そうすると騙されたという事より、あの人がこのような事をするなんて。と、信じていた気持ちを裏切られた事に、悲しみを抱きます。同じ気持ちを味わいたくないと願った結果、防衛本能が働き、人との出会いがあると騙されたくないと思いながら接してしまいます。信じていた人の裏切りがきっかけで、辛く悲しい思いをしたくないという自分を守るための心理が働くというものです。
・見下されているような嫌な気分になる
いいカモだと思われていたのではないか?と思うと、悔しくて見下されているような気分になるものです。簡単に騙せると思われていたのではないか?と連絡が取れなくなっても自問自答して、結論の出ない事で悩み続けます。このような惨めな気持ちを二度と味わいたくないという考えから、騙されたくないと強く願うようになります。
・普段から自分はしっかりしている方だと自信があったので悔しい
しっかり者と言われ、計画的に行動していた人が、サラっと騙されてしまうと、まさか自分が!?と驚いてしまいます。何もかも段取りよくこなして、計画的で緻密な人は自分にも自信があります。そんな人が騙されてしまうと、自分の事を責めてしまう傾向があります。なぜ気付けなかったのか?なぜもっと慎重に出来なかったのか?という感じです。この様な人は、次は絶対騙されないぞ!という新たな計画を立てるので、騙されたくないという心理は強いものになります。
・これまでの苦労が水の泡になるようでポッカリ穴が開くような気分
せっかくしてきたことが、騙されたことによって無くなってしまう事があります。そんな時は、全身の力が抜けたように感じて、心に穴が開いたようになります。また始めからと直ぐに行動出来るものなら良いのでしょうが、そうはいかない物も多く、意欲が湧かなくなってしまいます。周りからも心配されているのは分かっていても、無気力な状態を上げるのは簡単な事ではありません。長い時間をかけて再起した場合、絶対騙されたくないという気持ちと、また同じ目に合ったらどうしょうという不安が大きくなるでしょう。
・自分の持っているすべての物を誰にも奪われたくない
自分は人が持っていないものを持っていると自負している人は、全てを抱え込んで離そうとしません。自分だけの物と思い、共有することすら拒みます。共有するだけで奪われる・騙されると警戒心が強く、独占欲が強い傾向があります。独占欲の強い人は、人に依存する傾向もあるため、その矛盾の中で苦しむ事もあるようです。人に依存してしまうと、相手によりますが騙されたり、裏切られたりする機会が増える可能性もあります。しかし独占欲が強く渡したくはない。という正反対の思考の持ち主です。
・とにかく自分が好きで優先したい
何もかも自分を優先して、自分を良く見せたい。または、譲ったとしても次は絶対自分に有利になるように。というふうに、自分好きな人は、騙されたくないというより騙された自分をヒロインに仕立て上げ、オーバーに騒ぎ立て同情を引きます。騙されたことを本当に悲しんでいるのかよく分からないほど元気で、会う人会う人に騙された話をして話の中心に居ようとしています。本当はショックなのでしょうが、騙されたという事実だけでは自分のプライドが許さないので、オーバーに話をしてせっかくだからとばかりに、目立つ行動をするのです。自分を異常に好きな人はプライドも高いので、ただでは起きないという感じでしょうか。
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◇人に騙されたくないという思いが強すぎるとなぜ騙す側になってしまうのか
騙される方が悪いという言葉がありますよね。どう考えても、騙した方が悪いとは思いますが、ここでは騙されたくないという気持ちが大きくなりすぎて、いつの間にか騙す方になってしまう恐れがあるパターンを挙げてみたいと思います。なぜ騙されたくないと警戒して、心配している方が、騙してしまう側に変わるのか?騙している人は、気づいていない深層心理を交えてご紹介していきます。
・奪われたら奪い返そうという戦闘意識が強い
やられたらやり返す精神で、奪われたのなら奪い返すというもの。奪った人から奪い返すのなら話も分かりますが、奪った人とは違う人から奪おうとする人がいます。自分も奪われた被害者で、再起しているのだから貴方もそうすればいい。と言わんばかりの傲慢な考えです。多くは、嫌な思いをしたのであれば、そんな思いを人にはさせたくないと考えるものですが、このような方は違います。同じ被害者であるという理解できない言い訳を持っているので、質が悪いとも言えます。しっかりと相手の悪いところだけを学んでしまい、それを他の人に出してしまう事を、本人は騙していると自覚してほしいものです。
・守りを固め過ぎて誰の事も信用していないためあっさり裏切る
騙されたくない一心で、様々な方面から守りを固めてしまい、周りに居るほとんどの人を信用できなくなってしまっている方がいます。守りを固める事は悪い事ではありませんが、周りのヘルプや気持ちは汲まず、自分の守りばかりに徹している状態です。このような方は、周りからの助けや気持ちがあってこそ出来ている事に気付かず、信用していないがゆえに気に入らない事があると、あっさりと裏切ってしまいます。しかし当の本人は裏切ったのではなく、守るためにしたことだと思っているでしょう。それは守っているのではなく、気づかないことによって、結果的に人を裏切り騙すことになっているという事を理解しなければいけません。
・騙せるものなら騙してみろ!という被害妄想が高い
『騙せるものなら騙してみろ!』この言葉を口にする方の中に、被害妄想が入っている人がいます。騙そうとしているわけではなく、全く違う見解や提案をしているだけなのに、騙そうとしていると考えるのです。たまにしか会わない人ならそっとしておけばいいと思いますが、仕事をしているメンバーにこのような方がいれば非常に発言しにくくなります。何のメリットもなく、着地地点は売上アップなど一緒のはずなのに、やり方を変えたいと言うだけで、何か企んでいると疑われたら堪ったものではありません。騙されたくないと言いながら、人を悪者扱いして良いポジションに置かないようにするのは、パワハラ同然です。
・自分以外は全てライバル・敵という見方で接している
被害妄想にも似ているのですが、人と上手な関係を結ぶことが上手く出来ず、全てをライバル視する方です。どんな会社であっても個人事業でなければ、必ず人との繋がりがあり、その関係性の上で仕事や活動がなされていると思います。それなのに自分だけ特別と思い込み、他者を認めず、良好な関係性を築くことが出来ない人は、騙されないと思いつつ、人を陥れるような行動をする事があります。自分より優れている人を落としたいという感情から、引きずりおろすという作業をするので、結果相手から見るとその本人が騙している張本人という事になります。
・騙す、騙されないだけで捉えるので視野が狭い
他者と自分との関係性を、上下でしか見られない人は、騙すか騙されるかという極端な事を言います。取るか取られるかという具合ですね。そんな小さな範囲では、人と人との関係性など語れないのですが、このような方は視野が狭いので、0か100かの話しか出来ないのです。騙されるくらいなら、騙してやろうとなるので、普段は騙されたくないと口にしつつも、いざ騙されるような出来事があれば、あっさりと騙していきます。騙そうとするから騙したのだという持論があるので、悪びれません。しかし、本当に騙されるところだったのでしょうか?視野が狭い人が判断する、騙されそうになったも、少々怪しいものです。
◇たとえ騙されたとしても前を向ける考え方とは
生きていれば、意図的だったのか偶然だったのか分からないが、あれは騙されたなと思う事もあります。お金だったり気持ちだったり、騙された内容も様々でしょう。いつまでも悔やんでみても、何も変わりません。性格上切り返しの早い人もいますが、そうでない人は辛く悲しい日を過ごされるでしょう。許すことは出来ないにしろ、いつまでも塞ぎこんでいては身体にもよくありません。最後に、騙されてしまった後、どうすれば前向きになれて、また日常を過ごせるのでしょうか。いくつか挙げてみます。
・距離を置いて付き合いを止める
先に書いたように、自分で騙している自覚のない人がいて、退職などせず近くに存在し続けることがあると思います。そのような場合は、距離を置いて、その方との付き合いは止めた方が良いでしょう。我慢して付き合い続ければ、相手はいつまでもターゲットにしてくる可能性が高いからです。騙す人は、騙される人を見つけるのが非常に上手です。対抗するには、気づかれないほど遠くに居るのがベストなのです。万が一距離が取れないようなら、仕事の話以外はしないという事です。
・このような人と付き合いをしてはいけないという前例が出来たと考える
人付き合いはしてみないと分からない事が多くあります。自分にはどの様な人が合うのかを知れたと考えると良いでしょう。出会ったころを思い出し、このような入り方で知り合いになるのは止めようとか、このような会話をする人とは早い段階で距離を置こうなど、自分がどのような人と付き合うのかを判断できる材料が増えたと思う事で、今後にも役に立ちますし自分の為にもなります。
・恨む心境を流して可哀そうにという慈悲の気持ちを持つ
嘘をついて人を騙したり、欺いたりすれば必ずそのつけはやってきます。人を悲しませるような事をする人に腹を立てて恨むより、そのような生き方しか出来ない可哀そうな人だと思い、慈悲の心を持つようにすれば、自身には必ずや穏やかないい出来事が来ると信じましょう。忘れる事はできないかもしれませんが、いつまでも恨み続けるとその気が回ってしまい、自身の心が穏やかになる事がありません。まずは人の事より自身の心の平穏を取り戻すために慈悲の心を持ってみましょう。
・自分の周りに必要のない人がいるとご先祖様が教えてくれたのだと感謝する
私自身も、嫌な人に出会い心が疲れてしまった時は、私の事を大切にしない人と縁を切る事を選択します。その時に、ご先祖様がこの人と付き合う必要はないと知らせてくれたのだと感じ、感謝するようにしています。これまで、たとえ嫌な事があっても耐えてみたり、自分を責めたりしていました。でもそれをすると、心が疲れて辛い思いをするはめになるのです。カウンセラーになってから、縁を切るという事を学びました。前は自分から縁を切る事にためらいを持っていましたが、今はその選択を出来るようになったと思います。全て、私の心の平穏の為、ご先祖様が導いてくださったと、感謝する日々です。
・その事で何か得られることがあり今後に役立つと考える
辛い思いをしたのだから、嫌な思い出も多くなります。しかし、そこから学ぶ事も沢山あります。どんなに些細な事であっても、そこを通らなければ経験しなかった事であれば、良しとします。自分の経験値が上がり、誰かの役に立つことが出来るかもと思うと、これから誰かと出会う事も怖くなくなります。
以前に書いた記事:前を向くために過去を忘れる方法ってあるの?忘れたい過去を持っている方へ
最後に
騙されたと言うには、小さいものも大きいものもあると思います。何が辛いと言うと信じていた人に裏切られるという事ですよね。私の場合、長い付き合いをしていた人が数名いて、それは長い年月の間にその人にも何かあったのかもしれません。しかし、だからといって騙してもいい、裏切ってもいいとは言えません。毎回、残念な気持ちになりますが、それでも人とは出会うし、関わって行かなければいけません。自分の中で消化して進むために最後に挙げた方法をとっています。