仕事をしていて話が通じない人っていますよね。話が通じないとは、こちらが話をしていることを理解しないのと、相手が説明していることに矛盾があり指摘すると怒り出す様な人です。では、話が通じない人はどの様な思考で行動しているのか、ここでは話の通じない人の思考と行動パターン、その治し方を書いてみたいと思います。
目次
◆職場にいると周りが困ってしまう、話が通じない人の特徴と思考とは?
話が通じない人に多く共通するのが、相手から聞いた話に自分の主観や考えを足しながら聞いてしまうということです。基本的に自己中心的な考えの為、相手が話しているそのままを聞き入れられないという特徴があります。自分本位の聞き方で会話にならないのは仕事上大変なのですが、まずそもそも話が通じない人はどの様な思考と行動パターンなのかを書いていきたいと思います。
特徴1:相手の話に主観を入れて聞いてしまう
相手が話し出した瞬間から、自分の考えを入れながら聞いてしまいます。相手が何を言いたいかなど眼中にはなく、相手の話にどう対抗しょうかなどと考えながら話を聞いているので、内容が入ってきていません。相手の考えですから、最後まで聞かなければその内容や流れは誰にも理解できるはずはありません。最後まで聞かずに自分の考えを入れてしまえば意味不明な内容になるのは当然の事と言えます。最後まで聞かずに話を割って喋りだし、さらに内容が合っていなければ相手からすると何がどうなっているのか理解できません。なぜなら主観を入れて聞いた本人も全体像が分からないうちから勝手に決めつけて相手の話を奪っているわけですから、本人が分かっていない話の内容など、相手からするとなおさら分からない話であり、話の通じない人となるわけです。相手の話に主観を入れて聞いてしまう特徴と、常に言い返してやろうという思考が働いています。
特徴2:相手の話の『内容』を『意見』だと勘違いしている
先ほどの話の内容部分になって参ります。例えばある女性Aさんが会社の愚痴を話したとしましょう。話の通じない人Bさんは自分の主観を入れて聞きますので、ここでも同じ現象が起こります。この話を聞いた後どのような内容になるかと言いますと『Aさんは会社が嫌いなんだって』とか『Aさんは会社に嫌いな人がいるらしいよ』となります。良く聞く内容かもしれませんが、こちらの話を理解できるCさんが聞くとどうなるかと言うと、『会社の連絡網が整っていない事に不安を抱えているようだ』・『もっと〇〇さんに丁寧な仕事をしてほしいと思っているようだ』となる訳です。人の話を理解できる人は、話し手の発言の内容のみを理解しようとして聞くのではなく、「論点は何なのか」そして「意見は何なのか」と2つを同時に考えながら聞いています。会社が嫌いなのではなく不安に思っている事や、嫌いなのではなく丁寧さを求めているなどを理解するわけです。主観は入っておりません。この様に自分の考えたい方に勝手に思考が働き、自信満々に人へ伝えてしまうのです。この様な人が上司だと絶望的とも言えます。
特徴3:自分の都合のいいように解釈してしまう
難しい言葉を使えば頭が良いと思われる、という間違った思考を持っている人も少なくありません。相手が理解できない言葉を使うのは、逆に頭が悪く見えてしまうのですが、自分に都合が良いようにしか解釈しませんので、自分の言動を見直すことが出来ません。このような方は、自分が理解できない難しい言葉を使われると、話に関係ないところでマウントを取りだしたり、急に怒り出したりします。会話の中でこのような事が行われれば、誰でも話の通じない人だなという印象を持ちますよね。他にもこんな事例があります、ご自身でしてくださいとお願いすると、『全部私にしろって事!?』と怒り出してしまいました。この場合は元々やりたくない案件である事と、依頼する側の人の事を良く思っていない事が重なり、自分なりの解釈で全て押し付けられたという解釈になります。すべての会話が自分に都合よくなりますので、相手の言葉など聞いていません。
特徴4:相手を見下し、その場しのぎの会話をする
話が通じない人の中には相手の事を見下しており、きちんと話の内容を理解しようとする姿勢が無い人がいます。また、その場しのぎの言葉を並べ立てるので、実行されることはありません。後から指摘しても首を傾けて終わりという事もあります。その場しのぎの言葉が出るという事は、相手を見下している証拠ですし、見下していないと言うのであれば、会話自体を憶えていないのは危険です。覚えていようが覚えていなかろうが、本人には守る気持ちはありませんので、どちらにしても見下している事になります。誰にでもその場限りの言葉で会話をしていれば、話が嚙み合わない矛盾が出てきて、話の通じない人が完成します。日々そのような状況で、何とかしのげていると勘違いしているのが特徴で、頭が良いから周りは気づいていないという思考が働いています。気づかれても、またその場しのぎの言葉でかわせると思っています。
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◇話が通じない人と思われないために会話をする時に気を付けるべき点
自分のことを話が通じない人だと思われているなんて、ほとんどの方が気づくことはないでしょう。会話の中にヒントは隠されており、相手から『いえ、違います』『いえ、そうじゃなくて』と言われているはずなのですが、自分に都合よく考えてしまうので、何が違うのよ!と怒り出してしまい、自分を振り返られないのです。この相手からのヒントが出た時がチャンスなのです。私も相手からこのような言葉が出たら、もう一度最後まで話を聞くようにしています。では、聞く以外にどのような点に注意が必要なのかを書いてみたいと思います。
□相手の会話内で問題・考え・結論を分けて聞いていく
先に書きましたように、相手の会話の中で『会社に不満がある』という部分だけで、会社を嫌っていると決めつけるのはよくありません。また、第三者に対して、会社を嫌っている他考えられない!などと、本人が言ってもいないのに会話を捏造するのは以ての外です。不満はどの部分にあって、どうすれば良くなると考えているのか?などをしっかりと最後まで聞くべきです。話を聞ける人というのは相手の言わんとするところまで察して聞いていますので、コミュニケーションがスムーズです。反対に話の通じない人は会話の途中から自分の解釈が入りだし、言ってもいない結論に達します。会社経営者だとして、この両者どちらが従業員と接して欲しいと思いますか?社長が言った事でさえどう広まるか分かりません。会話をする時には相手の話だけを聞き、自分の考えは置いておいてください。
□相手の会話から予測なのか意見なのかを聞き分ける
会話をしていると、本当に本人がそう言ったのか分からない会話をする方がいらっしゃいます。楽しく会話するだけの時はいいかもしれませんが、仕事の話でしたら誤解を招くような事があってはいけません。相手も予測として話をしているのか、予測ではないのであれば根拠を聞く必要があります。要するに、本当の話では無いかもしれない話に真剣に付き合い、それを第三者に話す必要が無いのです。また、愚痴や文句ではなく意見なのかどうかです。愚痴でしたら話を聞いてあげる事で楽になるのでしたら、時間をかけて話を聞いてあげると良いと思いますが、意見なのであれば、それをどうしたいのか?というところまで聞くといいでしょう。自分で解決できるものもあるでしょうし、会議やミーティングで発表するために何か手助けを求めているのかもしれません。予測の段階・意見を持っているとどちらにしても、相手の問題であることを忘れてはいけません。自分の考えを押し付けずに、相手の進みたい方向性を聞いてみてください。
□確認する事は恥ではないという事を理解する
確認する事を、理解していない人と思われたくないという理由で疎かにしてしまう方がいらっしゃいますが、それは間違いです。会話の中で誤解が生じたまま進める方が、後々大変な事になり兼ねませんし、相手に対して失礼な事です。話し終わって自分の解釈が間違っていないか確認するのは大切な事です。全てにしていたら時間がかかるでしょうが、大切な場面では必要でしょう。今の話で理解できなかったの?と言われるのは確かに嫌だとは思いますが、分かりましたと言っておきながら違う結果になる方が信頼を失ってしまいます。少々手間ではありますが、会話の中にヒントが出てきたら、このような事ではないのですか?と質問して確認しながら会話を進めるべきです。職場が同じであれば誤解を解くのは簡単かもしれませんが、相手が社外の方でしたら尚更時間と迷惑をかけてしまいます。確認して理解する事は恥ではありません。
最後に
会話は相手の言葉や身振り手振りでコミュニケーションを取りながらするものです。自分の思考や主観ではなく相手が言いたいことを理解しなければ、本当の意味での会話は成立しません。また、始めから言い負かしてやろうという身勝手な戦いは止めて、周りと一緒に良いものを創ろうと言う気持ちも大切です。自分なりの会話をするのはいいですが、周りから話の通じない人と思われてしまったら仕事をする上でとても大変です。相手は信じて話をしているのですから、その会話を大切にして対人関係を築いていってください。